

ぜんそくの治療として、毎日の長期管理薬の投与は大変重要ですが、多くの患者に用いられるのが吸入ステロイド剤です。 吸入ステロイド剤は直接気道に到達して炎症を抑制し、気道の炎症を緩和することで肺機能や気道過敏性を改善。 お子様の生活も安定し、行動の制限も少なくなり、普通の生活ができるようになります。 ステロイド剤による副作用を心配されている方も多いのですが、吸入ステロイド剤は全身的な影響が比較的少ないことから、 喘息における予防治療では重要な役割を担っています。 現在、吸入ステロイド剤は炎症を抑える効果が最も信頼されているお薬です。お子様と家族の生活向上のために、 正しい知識と使い方で小児ぜんそくを予防管理していきましょう。
長期管理薬の目的は気道と肺の機能を改善させた状態を長く維持させることで、安定した生活をおくれるようにすることです。そのために最もぜんそくに有効な薬剤である吸入ステロイド剤を毎日継続することは、大変重要なことなのです。
もし、継続的に使用していた吸入ステロイド剤を休止したらいったいどうなるのでしょうか?
ぜんそくの子どもはそうでない子どもに比べ、気道が炎症によっていつも少し狭くなっています。
また、ほこりやダニなどのアレルゲンで発作が起こります。発作がおさまった後も気道の炎症は残った状態です。きちんと治療しないで放って置くと、また途中で治療をやめてしまうと炎症が再びおこり「リモデリング」という気道が硬くなってしまう現象が起こります。このような状態になると、どんな治療をしても常に息苦しい状態になってしまいます。
つまり、吸入ステロイド剤は、発作が起きないときも毎日続けることが大切です。ぜんそくは症状がないときにも炎症が残っています。吸入ステロイド剤を続けることで、ちょっとした刺激では発作を起こさず、普通の子どもと同じ生活がおくれるようになります。
※リモデリング:空気の通り道の壁が厚くなり治療してもなかなか元通りにならない
現在のぜんそく治療において長期管理薬として最も重要で最も信頼されているのは吸入ステロイド剤です。飲み薬の経口ステロイド剤は長期間使い続けると副作用が問題になりますが、吸入ステロイド剤はかなり大量に使わない限り、副作用は極めて少ないお薬です。 しかしながらまったくないわけではありません。吸入薬として使用することで、口の中やのどへの影響が考えられます。声のかれや口腔内カンジダ症(カビ)、咳などが起こる可能性です。これはうがいの励行や薬剤の吸入方法・剤型の変更によって予防できる場合もあります。
また全身性の副作用では、通常の使用量であればおおむね問題がないとする報告が多くされています。 身長発達でも使用開始後の1年間でおおむね1cm程度の抑制が生じる可能性が示されていますが、 その後の身長の低下には減少がみられ、10年後には健常者と同じ身長に達しています。 さらに、最近の新しい吸入ステロイド剤は局所副作用が少なく、全身性への影響もより少ないものも出ていますので、ご心配でしたら主治医に相談してください。
吸入ステロイド剤はぜんそく治療の基本となる薬剤で長期間使用しなければいけません。医師の指導のもと、量と回数を守りながら正しい方法で投与すれば、必ず有効性を発揮します。 吸入ステロイド剤は口の中やのどに影響を及ぼすので、吸入後は必ずうがいをして口の中についた薬剤を洗い流してください。またエアゾール製剤で上手く吸入ができないお子様には、補助具(スペーサー)を利用すると吸入のタイミングを合わせやすくなり、効率的に薬剤を肺に運ぶことができます。上手く吸入することで口の中やのどへの吸着が少なくなり、副作用も防止することができます。
例として、オルベスコの吸入の仕方を掲載しますので、正しい使い方を身に付けましょう。
※1回に複数吸入を指示された方は「3~7」を繰り返します。
吸入口のキャップをはずします。
薬は絵のように持ちます。
息を十分に吐き出します。
息を止めたまま、吸入口を軽く歯でくわえ、しっかり唇でおおいます。
息を吸い込み始めると同時に、アルミ缶の底を1回しっかり押して、薬を十分吸い込みます。
そのまま口を閉じ、5~10秒間息を止めます。(しっかり息止め)
ゆっくり息を吐き出します。
吸入後はうがいをします。
※詳細はお薬の使い方説明書を参考にして下さい。